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(有) 中央牧場 本川 一喜さん
大分県日田市

■経営の概要



本牧場は、本県最大の酪農地帯である日田市に位置し、その中でも飼養頭数113.1頭の規模を誇り、地域の中核を担っている。しっかりとした経営管理、環境対策、高い哺育技術などを特徴とする、フリーストール・ミルキングパーラー方式の代表的な牧場である。

■労働力の構成


区分 続柄 年齢 農業従事日数 年間総労働時間 備考
日数 うち畜産部門
家 族 (法人) 本人 39 341日 341日 2,302時間 飼料給与・搾乳・子牛出荷
39 341日 341日 1,877時間 搾乳・哺育・決算・清掃
70 300日 166日 942時間 搾乳・堆肥・決算・米・野菜
66 300日 0日   米・野菜
長男 12 - -    
次男 10 - -    
長女 8 - -    
常雇用 26 300日 300日 1,800時間

搾乳・除糞・育成乾乳飼料給与

臨時雇用 のべ人日 295日 畜産100%  1,180時間 搾乳パート・堆肥・清掃
労働力  計 3人 1,577日 1,443日 労賃単価 1000円

経営の実績・技術等の概要


期間 経営実績 畜産協会指標
経営の概要 労働力員数
(畜産)
家族(人) 2.3  
雇用(人) 1.3  
経産牛平均飼養頭数(頭) 88.2  
飼料生産用地延べ面積(a) 0  
年間総産乳量(kg) 742,146    
年間総販売乳量(kg) 739,134  
年間子牛・育成牛販売頭数(頭) 66   
年間肥育牛販売頭数(頭) 0  
収益性 経産牛1頭当り年間所得(円) 194,536 220,000
所得率(%) 21.0 25.0
成雌牛1頭当り 牛販売収入(円) 837,509   
販売原価(円) 733,236  
うち購入飼料費(円) 372,496  
うち労働費(円) 88,345  
うち減価償却費(円) 130,784  
生産性 生乳生産 経産牛1頭当り年間産乳量(kg) 8,414 8,000
平均分娩間隔(ヵ月) 13.9 13.0
受胎に要した種付け回数(回) 1.4 1.5
牛乳1kg当り平均価格(円) 99.53  
乳脂率(%) 3.83 3.5
無脂乳固形分率(%) 8.74 8.3
体細胞数(個/ml) 24.7
細菌数(個/ml) 15.1
粗飼料 経産牛1頭当り飼料生産延べ面積(a) 0 20
借入地依存率(%) 0  
飼料TDN自給率(%) 0 35
乳飼比(育成・その他含む)(%) 44.5 35
経産牛1頭当たり投下労働時間(時間) 91.8 115

環境保全対策


牛舎がルーズバーン方式の為、発酵機に投入する糞尿は、糞尿混合で生糞1:戻し堆肥1:オガコ0.6の割合で調整し、開放直線型(ロータリー式)の発酵槽で堆肥化し堆積式堆肥舎で10日間程堆積させた後、2/3程度は敷料並びに戻し堆肥として、残りの1/3程度は販売用として300m離れた堆肥舎へ運び袋詰(20Kg/袋)やバラとして近隣の耕種農家や家庭に販売している。

土地の所有と利用状況


   実面積 畜産利用地面積 備考
実面積 うち借地
個別利用地 耕地 60a 0a 0a  
500a 0a 0a 14年より200a飼料畑予定
樹園地 - - -  
560a 0a 0a  
耕地外 牧草地 - - -  
野草地 - - -  
- c -  
畜舎・運動場 35a 0a 35a  
その他 山林 300a 0a 0a  
原野 - - -  
- - -  
共同利用地 - - -  

家畜の飼養・出荷状況



品種区分 経産牛 育成牛 子牛
期首飼養頭数 87頭 23頭 -
期末飼養頭数 88頭 24頭 -
平均飼養頭数 88.2頭 24.9頭 -
年間出荷量 739,134kg -  66頭

施設等の所有利用状況


種類 構造/資材/形式能力 棟数面積
数量/台数
取得 所有区分
金額(円)
畜舎 畜舎
育成舎

鉄骨造
鉄骨造
830u
588u
H09
H11

6,933,769
6,229,000
個人
個人


飼料庫含む
施設 堆肥舎
機械庫
倉庫
電気設備
給水工事
鉄骨造
木造
鉄骨造
450u
20u
300u
1式
1式
H09
S62
S56
H11
H09
6,141,200
201,000
8,050,000
306,000
1,262,4810

個人
個人

個人
個人
個人



米野菜に利用9割米・野菜

機材 草刈機
リャグレーター
オートモア
ハーベスター
ブロアー
ロータリー
円盤スキ
バキューム
トラクター354
ワゴンMSK
コーンハーベスター
グレタスローダー
運搬機
パイプライン
バルククーラー
コンプリートフィーダ
ファン
細霧機
トラクター3
トラクター4
オートモア2
TCMローダー
リフト
ホイルローダー
ダンプ1
軽トラック4
ダンプ2
軽トラック5
スタンチョン1
スタンチョン2
スタンチョン3


1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
1式
1式
1式
S53
S56
S58
S62
S62
S63
H01
H01
H02
H03
H04
H06
H07
H09
H09
H09
H09
H09
H09
H11
H12
H09
H09
H10
H11
H12
H12
H13
H09
H09
H09
85,000
118,000
280,000
653,500
315,000
80,000
120,000
900,220
3,172,400
463,500
824,000
550,000
300,000
6,695,000
5,512,500
4,120,000
1,646,970
879,450
3,000,000
1,003,000
250,000
3,296,000
470,000
4,315,500
885,000
880,000
365,000
1,150,000
309,000
370,800
333,977
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人

個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人
個人


地域農業や地域社会との協調・融和についての活動内容


市の農業祭に地域の酪農青年婦人部として協力をし、牛乳・乳製品のPR活動も併せて実施している。
地域の改良同志会での地域共進会への積極的な参画や、一般家庭の菜園にも利益を考えずに電話1本で袋詰堆肥を配達し喜ばれており、これも口コミで注文が増えてきている。

後継者確保・人材育成と経営の継続性


経営主本人がすでに大学の農学部畜産学科をS60年に卒業し、父のもと経営主として平成14年の5月に設立した法人の代表者として経営の全責任を負っている。
また、夫人も移行したばかりの法人経営の安定的継続のために普及センターの主催するパソコン簿記研修会にも参加している。

今後の目指す方向


平成9年の2月に現在の牧場に移転したが、近隣集落との環境に関する厳しい条件の仲に頭数規模の制限がある。
今後目指す第一の目標は乳製品等の多角経営ではなく、一番基礎となる牛、特に自家育成牛の育成率を上げて規模の拡大を図り、年商1億を目標に掲げている。そのような中で、集落との条件を緩和するために日々の環境対策の積み重ねで早い時期に集落の人々の納得を得ることである。

現状の施設では投資を抑えた施設で、パーラーも簡易パーラー方式であるが、今以上に規模が拡大されれば労働効率を図るためにも、8Wのミルキングパーラーの設置を平成16年に予定している。

また、自家育成率をあげる目標を持っているが現状の購入飼料のみでの飼養形態では経営的に苦しくなると判断し、休耕地(自己所有地)200aでイタリアンの作付けをすぐに実施していく方針である。年商1億の目標を掲げても月々の決算の重要性の基本は将来とも変わる事はないと力強く、着実な経営を目指している。


写真で見る牧場

ルースバーン牛舎 牛舎横の子牛ハッチ
飼槽・通路は常に清掃を心がけ、ハエ等の対策を行っている お客さんのつく子牛をこの手造りハッチで育てている。
奥さんの哺育技術のノウハウが発揮される。
ロータリー式堆肥舎 堆肥発酵舎の出口
堆肥舎の周囲も環境美化として花を植えている。 この堆肥を堆積(10日間程)させて牛床の敷料や水分調整のために戻し堆肥にも利用。
堆肥舎の規模 W6,000×L70,000

袋詰堆肥 牧場周辺の畑作地帯
大分県有機質資材生産者協議会会員
JAひたを主力に販売されている。
最近では家庭菜園にも配達(口コミで広がってきた
)
当牧場の堆肥が供給されている畑作地帯